
たとえ結婚していたとしても、その相手の気持ちが全部自分の方に向いているとは、限らない。
世の中には、不倫の話は山ほどある。
これは恋愛だって、同じこと。
相手に浮気をされるということは、勝手に失恋の状態にされることと同じ。
その人のことを大切だと思っていたはずなのに、ふとしたきっかけで別の相手に気持ちがいってしまう。
その気持ちがそのまま収まればいいけれど、自分の意志とは関係なくその思いがどんどんと成長していってしまう。
そして、浮気となる。
その相手と関係を持つことはもちろん、実際にその相手と何かがあったわけではなくても、気持ちの上では浮気している状態は、珍しくないと思う。
この、気持ちの浮気は実に厄介。
人の気持ちは移ろいやすく、本人でさえもコントロールが効かなくなる時があるから、誰にでも起こりうる。
でも、浮気をされた方はたまったもんじゃない。
自分の気持ち・時間・お金・・・恩着せがましくするつもりはなくとも、自分がその相手に注いできたさまざまなものを、全部無駄にされる。
信頼を、根こそぎ裏切られる。
そんなこと、許せるはずがない。
相手を責め、そして悲しくなるのは当然のこと。
自分の気持ちを差し置いて、勝手に失恋させられたのだから。
問題なのは、これからどうするか。
浮気の事実はあったとしても、まだその相手とのつきあいを望むのか。
それとも、きっぱりとその失恋を受け入れ、ピリオドを打つのか。
再びその相手とつきあっていく場合、
「また浮気されることがあるかもしれない」
という疑心暗鬼との戦いが始まることになる。
どんなにその時相手が「もうしない」と言っても、また浮気をしないとは限らない。
その時本人にその気はなくても、何かのきっかけがあればまたスイッチが入ってしまうかもしれない。
これは何とも言えない。
何とも言えないから、疑心暗鬼もぬぐえない。
浮気の事実があるから、心からは信頼できなくなる。
関係を続けていくなら、この気持ちの揺れと、つきあっていかなければならない。
また同時に、さらに良好な関係をつくるための努力が必要かもしれない。
相手が浮気をしたのはもしかしたら、自分にもその原因があったかもしれないから。
そうすると今度は、
「自分の何がいけなかったのか」
という想いも発動しやすくなる。
ともすると、自分に自信を無くしてしまうかもしれない。
もしくは、圧力で相手を屈するという方法もある。
常に監視をして、プレッシャーを与え続けていく。
こうなるとそれは恋心ではなく、執念にすり替わっていくかもしれない。
いずれの場合も、これまで以上に神経を使うことは避けられない。
これまでとまったく同じように、というわけにはいかない。
ならばいっそ、この失恋を受け入れて清算してしまう、という選択肢もある。
相手がどんなに謝ってきても、「もうしない」と言ってきても、
自分のことを裏切ったことには変わりはない。
そのショックややるせなさは、浮気した方にはわからない。
そんな思いをさせられた相手とこれ以上関係を続けるのが嫌だと思うのなら、終わらせてしまう方がいい。
多少、引きずる気持ちがあったとしても、その時は落ち込んだとしても、この先の自分の幸せのために。
こんな時こそ、自分が幸せになる方法をわがままに選んでいい。
それでも関係を続けるのか、きっぱりとつきあいを終わらせるのか。
どちらの方が自分にとって幸せなのか、自分勝手に決めていい。
これは、失恋させられた方の特権。
未来のことなんてわからないのは、あたりまえ。
だからこそ、今少し冷静になって想像してみる。
そして、答えを出してみる。
そして答えを出したなら、もうひとつの選択肢のことはいったん忘れて、自分が幸せになれるように歩んでいくだけ。
今の時点で、後悔することなど心配しなくていい。