
同じ学校や職場、仲間の紹介など、多くの場合恋は、なんらかのきっかけで直接出会うことから始まる。
これが例えネットやSNSでの出会いであっても、二人の気持ちが高まってくれば「会いましょう」となり、会えば会うほど二人の心の距離は近づいていく。
インターネット全盛の時代であっても、人と人とは直接触れ合いたいし、直接会えるという価値はとても高い。
だから逆に、相手の転勤などで、つきあっていた二人の間に物理的な距離が生まれる遠距離恋愛は、二人の気持ちを冷めさせてしまう可能性が高い。
遠く離れていても、これまで以上に愛情を持ち続けられるケースというのは、やっぱり稀だと思う。
遠距離恋愛中に他の人が気になり始めてしまい、その人への想いが気持ちの中でどんどん割合を増してしまう・・・・遠距離恋愛でよくあるこんなパターンも結局、会える距離にいる相手の価値の方が大きくなってしまうから。
悲しいかな、距離は、気持ちの距離も遠ざけてしまう。
地方に行ってしまった恋人が、その場所で別の人へ想いが傾いてしまい、別れを切り出されてしまう。失恋のパターンとしてもよくある話。
これはその人が悪いのか?
失恋を切り出された方にしてみれば「相手が悪い、浮気だ」と言いたい気持ちもわかるけれど、身近に会える存在が気持ちの中で大きくなってしまうのは、仕方がない事なのかもしれない。
遠く離れた分、相手はあなたのぬくもりを感じにくい状態になっていたのだから。
そんな失恋をする前に、果たして自分はその人との心の距離を縮める努力はしたか?
慣れない土地に行って不安を抱える相手の気持ちを理解して、寄り添うことはできていたか?
自分自身も、他の人が気になったりはしなかったか?
失恋のショックが薄まってきたら、一度そんなことを思い返してみるのもいい。
そういったことをしっかりやったという自信があるなら、相手を責めればいい。
でももし、「そういえば、あんまり・・・」ということであれば、相手ばかりを責めるのは考えもの。
かといって逆に自分を責めすぎる必要もない。
物理的な距離を超えてまで、愛情を保ち続けるのはそもそも難しいもの。
それができなかったからと言って、「自分は失格」なんて思う必要はない。
もともと高いハードルだったんだから。
しかたのない結末だったと、気持ちを落ち着かせていくべき。
遠距離恋愛と、その末の失恋を経験したあなたには、距離を超える難しさと、「常に会えることの貴重さ」が身に染みたはず。
だから新しい恋をしたときには、出来る限り相手と一緒の時間を作れるようにしていけばいい。
万一またその相手と遠距離恋愛になってしまったら、失恋の後悔をもとにして、気持ちをつなげていく工夫をすればいい。