
カレンダーのように、月替わりで展開される12の恋愛短編集。
今読むと少し古い印象があるけれど、逆に現代よりも素直で女らしい主人公たちが繰り広げる、切ない恋が詰まっています。
本の解説
失恋で強くなる、失恋で“女”を磨く、失恋はまさに人生の醍醐味。
結婚したいのに彼氏になかなか言い出せない女の子が、帰省で一発勝負をかける「1月帰省」。
意地を張ったために年下の後輩に彼氏を奪われる「2月バレンタイン」など、ゴールデンウィーク、夏休み、噂話、海外旅行、そしてクリスマス。油断ならない恋の季節は一年中。
たくらむ女の子のほろ苦い失恋をテーマにした12の短編集。
レビューより
1月から12月までの季節に沿ってその時々の行事に合わせて、恋愛とその別れを描いた12話からなる短編集です。
直接の別れではなく、就職という転機や、大学の長期休みの帰省という一時の冷却期間など間接的なものから別れの危機を感じさせるのが多く、それがうまい!!と思いました。
個人的には「クリスマスだから、それほど好きではないのにわざわざ恋愛して、それがうまく行かずにジリジリする」という女の子の話がユニークで面白いと思いました。
しかし解決しないまま、これから!!というところで終わる話がほとんどなのが、じれったくもあります。読者に想像力をかきたてて余韻を残すという手なのでしょうか…。